正法眼蔵(しょうぼうげんぞう)

明けましておめでとうございます。
本年も、光秀寺をよろしくお願いいたします。

さて、今月の禅語は「正法眼蔵」です。
「正法」とは、正しい法則、真理の意味であり、お釈迦さまがお説きになった正しい教えのことです。「眼」は、物事の本質を正しく見る力のこと。「蔵」とは全てを包み込んでいることです。
「正法眼蔵」とは、歴代のお祖師さまを通じて、脈々と受け継がれてきた、お釈迦さまの正しい教えのことです。

中国での修行を経て、正しい仏の教えとして禅を伝えた道元禅師は、そのご生涯の大半をかけて『正法眼蔵』を著します。「仏法の真髄をあまねく包蔵せる書」としての『正法眼蔵』。
その編纂形態は、60巻、75巻、12巻、95巻など、いくつかありますが、最後に著された「八大人覚」の巻で、道元禅師は、これまでの正法眼蔵を書き改めて100巻にしたいとの構想があったと残っています。

その内容は多岐にわたっていて、仏の教えや教義を説いたもの、祖師方が悟りを開いたきっかけになったこと、または修行生活で守るべき考え方や作法まで幅広くにわたっています。
そして、その内容は決して平易なものではなく、難解で読み方によっては哲学的な要素も多分に含まれていて、全てを理解するのは至難の技であります。

道元禅師の坐禅の教えは「只管打坐」と示されます。「ただ坐る」ということだけでよければ、このような膨大な書物を残す必要があったでしょうか。もちろん坐禅修行は第一に大切なものでありますが、その根拠を示すために、正伝の仏法を明らかにするために、それを後の私たちにも伝えるために、お書きになったのだと思います。

今月の禅語(令和6年1月)

投稿ナビゲーション