雪上加霜(せつじょうかそう)

白い雪の上に、更に白い霜を加えるようなもの。
一つの事象に、同じようなことが繰り返し訪れること。
元々は、厳しい状況にさらなる困難や苦しみが加わることといった意味でもあります。

しかし、道元禅師は違った捉え方で説明しています。

『正法眼蔵』にこの言葉があります。

発心とは、はじめて自未得度先度他の心をおこすなり、これを、初発菩提心、といふ。この心をおこすよりのち、さらにそこばくかの諸仏にあひたてまつり、供養したてまつるに、見仏聞法し、さらに菩提心をおこす、雪上加霜なり。(『正法眼蔵』発菩提心)

菩提心(仏の心)を起こすということは、自分が仏になる前に、まずは他人が仏になれるよう願うことである。これを初発菩提心(初心)と言い。更に、多くの先生に学び、多くの教えを聞き、そして、もう一度、初心を起こす。これを雪上加霜という。

仏道を学ぶ上では、まず、その心を起こしたのち、修行し、悟りを得て、涅槃に入り、更に、もう一度発心する。この繰り返しが大事なのです。「初心忘るべからず」とも言いますが、何度も何度も初心に帰り、失敗しても成功しても、更に元の初心に戻ることです。
また、「一発心は千億の発心なり」とも示しています。
1回の発心は、千億回の発心である。発心して修行するということは、発心の繰り返しであり、それは千億回の発心と同じであるという意味です。

今月の禅語(令和8年2月)

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