随所作主(ずいしょにしゅとなる)

随所とは、日常生活における時間や場所のあらゆるところです。主とは「ぬし」とか「あるじ」とも読みます。人をつけると主人となります。
これは、9世紀ごろの中国の禅僧、臨済義玄の言葉です。臨済義玄という方は臨済宗の開祖であり、その教えは、栄西禅師により日本に伝えられました。ちなみに道元禅師は若きころ栄西禅師が開かれた建仁寺で修行していた時期もあります。
この、臨済義玄の「臨済録」には、「随所作主立処皆真」(随所に主となれば、立処皆真なり)とあります。
立処は、今現在立っている処、それが真実であるということです。いかなる場所においても主人公たれ。その時、そこが真実の世界となる。
坐禅をしている時は、坐禅をしている主人であり、食事をしている時は食事をしている主人であり、草取りをしている時は草取りをしている主人です。
その場所、時間において常に主人となり、精一杯努めることが大切なのであろうかと思います。

今月の禅語(令和7年8月)

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