感応道交(かんのうどうこう)

「感」は、衆生(人々)が、仏さまの救いの心を感じること。「応」は、仏さまが、救いを求める人々の願いに応じること。「道交」は、その人々の心と、仏さまの心が交わり、互いに通じあうことです。
道元禅師の著書、『正法眼蔵』に「発菩提心」とい巻があります。
菩提心とは、仏さまのお悟りを求める心です。この菩提心を起こすために必要なことがこの巻に記されています。
菩提心を起こすために初めに行うことが、自未得度先度他の心を起こすことです。自未得度先度他とは、自分がまだ救われる先に、他人の救いを実現しようとする心です。
「己未だ渡らざる先に、一切衆生を渡さんと発願し営むなり。」
現在、世界では、自国ファースト、まずは自分たちが良くなることを優先する考え方が台頭してきています。自分だけが良くなっても、社会全体が良い方向に進めなければ、最終的には多くの人々が不幸になります。お釈迦さまは、2500年前に、この考え方を示されたのです。
そして、この教えは「感応道交」、仏さまの救いの心と、それに応じる仏さまのお心により、ここでいう仏さまは、歴代のお祖師さま方も含まれています。それを通じて、正しく伝えられてきたのです。今、私たちは、道元禅師さまの教えによち、その心を知ることができます。
今月の禅語(令和7年4月)