一期一会(いちごいちえ)
一期とは、人が生まれてから死ぬまでの期間のこと。一生とか生涯とかとも同じような意味。一会とは、一度の集まりのこと。お寺でも法要の回数を数える時は、1回を一会といいます。生涯に一度だけ会うこと、また、生涯に一度限りのことであること。茶道の心得を表した言葉でもあります。
幕末、桜田門外で水戸藩士に暗殺された幕府の大老、井伊直弼は茶人としても有名でした。井伊が著した「茶湯一会集」には次のようにあります。
「そもそも、茶の湯の交会は、一期一会といいて、たとえば幾度同じ主客交会するとも、今日の会に再びかえらざる事を思えば、実に我が一世一度の会なり」
「茶湯一会集」
そもそも茶会というものは、たとえ同じ人に何度も会う機会があったとしても、この時の出会いそのもものは再び巡ってくることはない。そう思えば、実に一生に一度の出会いであるから、命懸けで臨まなければならない。
禅の生き方というものも、それに通じるものがあります。
一瞬一瞬の時はというものは、常に止まる事なく変化し続けていて、それを再び繰り返さすことはできないのであるから、人生を修行と捉え、その時々を大切に精一杯生きなければならないのです。
今月の禅語(令和6年12月)