大慈大悲(だいずだいひ)
広大無辺な仏の慈悲のこと。
「だいじだいひ」とも読みます。
慈悲の「慈」は、他者に対する思いやり。他の人に幸福を与えること。楽を与える行為。「悲」は、他者に対する同情、苦しみを救う、苦しみを取り除く行為。
常に大慈大悲に住して、坐禅の功徳、一切衆生に回向せよ。憍慢・我慢・法慢を生しょうずることなかれ。これ外道凡夫の法なり。
「坐禅用心記」瑩山禅師
常に、大いなる慈悲心を持ちつづけ、坐禅の計り知れないほど広大な功徳を、あらゆる生きとし生けるものに手向けるようにしなければならない。憍慢、我慢、法慢など慢心をおこし、自己に執着し思い上がってはならない。それは、仏法の坐禅ではなく、外道凡夫のものである。
坐禅とは、仏道を行じることです。坐禅をする姿、そのものが仏の姿であり、坐禅をしている時、私たちは仏なのです。仏なのだから、自分勝手な思いを抱いたり、自分を中心に考えることはありません。常に、生きとし生けるものに対して、慈しみ憐れむ共感の心を持っていなければなりません。これが、私たちが行う坐禅なのです。
今月の禅語(令和6年9月)