涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

煩悩が無くなり、心が静まって安らかな境地のこと

「涅槃」とは煩悩、迷いの炎を吹き消すこと。サンスクリット語のニルバーナが語源。お釈迦さまの悟り智慧が完成された境地のこと。
「寂静」とは静かなことで、心と体が平穏で静かで安らかな境地のこと。
「涅槃寂静」で迷いの炎を吹き消されて、身心が安らかな境地のことをいいます。

お釈迦さまの死を「入滅」といいますが、2月15日は、お釈迦さま入滅の日で、寺院では涅槃会という法要が行われます。ご本山では起床から就寝までの間、ひたすら坐禅を続ける報恩の摂心が行われ、お釈迦さまのご威徳を偲びます。また、地方によっては色とりどりの涅槃団子を撒く習慣があります。

「涅槃寂静」という言葉は仏教の基本思想である四法印の一つに数えられます。
四法印とは、諸行無常、諸法無我、一切皆苦、涅槃寂静の4つです。

  • 諸行無常・・・全ての物事は移り変わっていて、何一つどどまっているものはない。
  • 諸法無我・・・全ての物事は、多くの縁により成り立っていて、何一つ我として成り立っているものはない。
  • 一切皆苦・・・この世の中は全てが苦しみであり、何一つ思い通りになるものはない。

これらを理解し実践することで、涅槃寂静、つまり迷いの炎を吹き消した安楽な境地に至れるのだと考えます。

世の中のあらゆる出来事は、お互いに影響しあってできているものであって、何一つコントロールできないのに、人はついつい自我を持ち物事に執着してしまいます。一切が苦しみであることを理解して、その思いを捨て去ることで心が安らぐと考えればよいのです。

今月の禅語(令和5年2月)

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