少欲知足

少欲知足

少欲 欲望を抑えて
知足 足りるということを知る

お釈迦さまの最後の説法である『仏遺教経』というお経にこの言葉が残っています。また、道元禅師さまは、『正法眼蔵』の「八大人覚」の巻においても「少欲」「知足」の言葉を取り上げています。ともに、私たち仏教徒が常に心に留めておくべき教えの一つであります。

少欲とは
欲望の多い人は、名声や財産を多く求めるがために、苦しみもまた多い。欲望の少ない人は、求めることもなく、欲もないので、そのような憂いはない。いますぐ欲望を少なくするよう努めるべきである。欲望を少なくするということは、諸々の功徳が生じることにもつながることである。欲望の少ない人は、へつらって人の心を求めることもなく、諸々の感情などに引き回されることもない。欲を少なくすることを実践する人は、心は淡々としていて、憂いや恐れることがない。物事に対しての余裕があり、常に不足することはない。欲望が少ない人には心の安らぎがある。
知足とは
諸々の苦悩から逃れようとするならば、足りるということを知るべきである。足りるということを知ると、心が安らぎ、安穏の境地につながる。足りることを知る人は、地面に伏していても心は安楽である。足りることを知らない人は、天上界にいたとしても不満に溢れている。足りることを知らない人は、物質的に豊かであったとしても心は貧しい。足りるということを知っている人は貧しいけれど心は豊かである。足りることを知らない人は、いつも欲に引きずられて、足りることを知る人より憐れまれる存在である。 (「八大人覚」より)

人間には様々な欲望があります。欲望なくして生きていくことができません。食欲や睡眠欲などの基本的な欲をはじめ、社会が成り立っていくには様々な欲がともないます。ただ、過度に求めすぎることは良くありません。私たちは日常の生活の中で多くの欲望を抱えています。一つの欲望が満たされれば新たな欲望が次から次へと生じてきます。自ら自覚して欲望をコントロールすることが大切なのです。

今、私たちが将来に向けて安心して生活ができるために、持続可能な開発目標、SDG’sの実践がうたわれています。
SDG’sとは、持続可能でより良い世界を目指すため、17の目標とその下に169個のターゲットを設けて構成され、「誰一人取り残さない」をスローガンにすすめられています。
目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標12「つくる責任、つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」など、少欲知足の教えを実践することで達成に近づけるのではないでしょうか。

今月の禅語(令和4年5月)

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